大分SHOKUトップページへ

[食 Vol.56] 日田市 / ジビエ」

大分SHOKUトップページへ

大分|食|大分の食物

日田市

ジビエ

Vol.56
 大分県は瀬戸内と豊後水道に面した九州東岸に位置し、変化に富んだ地形・気候、多くの名水など豊かな自然に恵まれています。
 今回は、こうした大自然の中で捕獲されるイノシシ、シカなどの大分県産ジビエの取組を紹介します。

 ジビエとは、フランス語で「狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉」を意味する言葉です。日本でもイノシシ肉を「ぼたん」シカ肉を「もみじ」などとよび、鍋や煮込み料理など古くから食用とされてきました。

 大分県では、現在、ほぼ全域にイノシシ、シカが生息しています。農林業被害を防ぎ、自然のバランスを取り戻すために、規制緩和などにより捕獲を進めるとともに、捕獲したイノシシ、シカを無駄にせず、ジビエとして活用できるよう民間の取組を支援しています。

 こうした折、平成25年1月に県産ジビエの安定供給と首都圏等での販売促進を目的に県内の食肉処理業者や流通関係者が「大分狩猟肉文化振興協議会」を設立し、?狩猟肉の処理、衛生管理技術の向上、?需給に関する意見交換、?販売促進活動、?各種の勉強会や交流会などを展開し、県産ジビエのブランド化を図って行くこととしており、今後の展開がとても楽しみです。

 また、坐来大分では、2月14日から3月12日の間に日田市フェアを開催し、当協議会の会員である日田市獣肉処理施設管理組合が処理したイノシシ、シカ肉を活用したジビエ料理を提供します。

 日田市獣肉処理施設管理組合 川津保夫(かわづやすお)組合長にお話を伺うと、「日田市獣肉処理施設は昨年4月に開所し、熟成のための冷蔵庫(チルド)や最新式の高鮮度維持凍結機、ミートチョップやスライサーなどを備えた施設です。日田市内で捕獲されるイノシシは、木の実や山芋を多く食べているので質の良い脂がのり、適正に処理しているので臭みがないのが特徴。高タンパクで低脂肪、皮膚を潤すコラーゲンや疲労回復を促進するシスチンを豊富に含んでいるので、女性の方にお奨めしたいですね。また、シカ肉は、筋肉質で、味はシカ肉特有のうまみがあるものの、あっさりしています。鉄分が不足がちな女性の方やメタボ対策中の方にお奨めです。」とのこと。

 また、川津会長は18歳で狩猟免許を取得し、これまで1,000頭以上のイノシシ、シカを処理しており、現在は、日田市獣肉処理施設に持ち込まれる鳥獣の全ての処理を行っているそうです。「ジビエを美味しく食べていただくためには、適正な処理が絶対条件ですが、猟師が年々減少しているのが心配。若い方が猟師になれるようお手伝いしたい。」と力強くお話いただきました。

 川津さんが真心込めて処理した「ジビエ」を、是非「坐来大分」でご堪能ください。

「問い合わせ先」
○大分狩猟肉文化振興協議会
   事務局:大分地域資源振興機構
        大分市大字下郡1045番地の5
        TEL:080-2227-4226

 ○日田市獣肉処理施設組合
   日田市上津江町川原9-1
   TEL:0973-54-3056


〈伝承料理研究家 金丸佐佑子さんのお話〉

 先日、イノシシの肉をいただきました。イノシシの肉が苦手の知人から、まわりまわって私の手元に届いたのです。ボタン鍋とカレーにしていただきましたが、イノシシカレーは珍しいということで孫達には大好評でした。

 三月末には、又シシ肉を食べることになっています。亡夫が大分県立日田高校勤務時代、顧問をしていた登山部のOB・OG会があるのです。もう三十年近く続いています。 毎年、OB所有の湯布院の山荘に銘々が手作りのご馳走やお土産を持ち寄り、温泉に入り、囲炉裏を囲み、たあいもない話でゆっくり過します。そしてその中心にあるのがイノシシの鍋(ボタン鍋)、イノシシの皮のスープ、イノシシごはん、シカのロースト、地鶏の炭火焼、鶏皮の柚子ごしょう和え。指物師なのか、料理人なのか、猟師なのか本業が沢山ある彼がこの日のために準備してくれます。数年前まではにわとりもこの日のために自家飼育でした。全てが絶品!これを食べたいがため各地からOB、OGが集まるのですから、美味しさがお分りいただけますでしょう。

 最近メディア等を通じて「ジビエ料理」が宣伝されるようになりました。野鳥獣被害の増大が大きな引き金になっているのだと思いますが、この現象に一言私の感想を申し上げたい。「マタギ料理」や「山間でひっそりと作られる料理」のイメージを変えたいからカタカナ料理名にしたい。有名フレンチの料理人に知恵を借りたい。日本では宗教的な背景もあって野鳥獣料理は熱烈なファンがいるにもかかわらず地味。かたや王侯貴族の食として栄えたフランス料理とは大きな違い。よく分ります。でもでも、もう少し考えてみたい。川上がどんなに盛り上がっても、非日常食でしかありません。川下の日常食が盛り上がらなければ消費は増加しないと思うのです。どこに行けば手に入るのか。どんな日常の食があるのか。日本にも表には出ていないけれど伝承の知恵が沢山あるはずです。それらに是非スポットライトをあてて欲しい。そして伝承の記録を残して欲しい。一応伝承料理にかかわる者としての一言です。

 三月のOB・OG会の残りの食材は私がいつもいただいて帰ります。工房“とうがらし”は海岸、平野の料理が中心ですが、時々こんな料理も作ります。今からわくわくです。

総合監修 生活工房゛とうがらし˝金丸佐佑子(平成25年2月)

川津会長お奨めの「いのしし鍋」

川津保夫組合長
(冷蔵庫(チルド)内のイノシシ枝肉(12Kg))

日田市獣肉処理施設

獣肉処理施設の機材
(左奥に最新式の高鮮度維持凍結機)

真空パックされたジビエ

小鹿田焼の里
国の重要文化的景観に指定され、陶土をつく唐臼の音が響く小鹿田焼の里

天領日田おひなまつり
平成25年2月15日(金)〜3月31日(日)
江戸幕府の西国筋郡代の役所が置かれ、九州随一といわれるほどの繁栄を極めた天領日田、絢爛豪華なひな人形やひな道具の数々をご覧ください。

天領日田資料館

上へ戻る
食バックナンバーへ