国東半島
〜静かに自分と向き合う旅を〜 |
Vol.13 |
春から新しい生活をスタートさせた方も多いと思います。
たくさんの期待と希望、そして少しの不安、春は1年のうちでもワクワクドキドキの多い季節ですが、頑張りすぎてちょっと疲れてしまうことがあるのも事実です。
国東半島には、そんなときにぜひ訪れて欲しい、心安らぐ場所がたくさんあります。
[熊野磨崖仏]
全国の磨崖仏の8割近くが集中するといわれている大分県において、六郷満山と呼ばれる仏教文化が栄えた国東半島は、石仏石塔の宝庫として広く知られています。特に豊後高田市にある熊野磨崖仏は、日本最大級のスケールを誇り、国の重要文化財にも指定されています。
急峻な石段を登ると、大日如来像と不動明王像が、息を切らして訪れた人たちをやさしく出迎えてくれます。
いずれも肩から下は彫りが浅く、ほとんどその姿が現されていませんが、これは、悟りの境地に達した修行僧が、今まさに岸壁から現れんとするみ仏の姿を描き出そうとしたからだといわれています。
険しい山中にこれほど巨大なものを刻んだことからも、当時の信仰の篤さをうかがうことができます。
[富貴寺]
国東半島は、神仏習合の信仰形態をもつ宇佐神宮と関係の深い土地であり、古くから仏教文化が栄えていました。中でも富貴寺大堂は、平等院鳳凰堂、中尊寺金色堂と並ぶ日本三大阿弥陀堂の一つに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であるとともに国宝にも指定されている、国東半島を代表する貴重な文化財です。
四季折々に美しく表情を変えるのどかな里の風景のなか、訪れる人たちをやさしく包み込むように、優雅な姿でたたずんでいます。
大分空港は国東半島に位置し、飛行機を降りればそこはもう“ほとけの里”です。慌ただしく観光地を巡るのではなく、ゆっくりと静かに自分と向き合う本物の旅に出かけてみませんか。
|
<熊野磨崖仏>
鬼が一夜で築いたと伝えられる石段。
この階段を登りきると感動的な出会いが。
右:平安時代中期の作と言われる大日如来像(7m)
左:鎌倉時代前期の作と言われる不動明王像(8m)
見上げるほどの大きさです。
どこか微笑んだような姿でやさしく出迎えてくれます。
<富貴寺>
山門では仁王像がお出迎え。
新緑の鮮やかな緑のなか、周囲には凛とした空気が漂います。
|