臼杵市は大分県の東南部に位置し、国宝の臼杵石仏や醤油の醸造などで有名ですが、近年は二王座を代表する城下町の町並みでも知られるようになりました。戦国時代にはキリシタン大名として活躍した大友宗麟のもと南蛮貿易やキリスト教布教の中心でもあり、城下町特有の面影のなかに、どこか異国情緒を感じさせる町並みは女性にも人気があります。
城下町臼杵を代表する二王座は、阿蘇山の火山灰が固まってできた凝灰岩の丘で、あちこちの岩を削り取って道を通しました。特に、旧真光寺の前は「切り通し」と呼ばれる、臼杵を代表する景観のひとつです。多くの武家屋敷やお寺が立ち並び、国の都市景観100選にも選ばれています。
こうした、歴史ロマン溢れる臼杵の魅力をより深く堪能していただくため、地元ボランティアガイドの案内によるツアーも実施されており、中でも、お寺の住職指導による座禅会、御写経会、御説法、そして住職手作りの精進料理と二王座散策をセットにした「祈りと修行の旅」は県外からの参加者も多い人気のツアーです。
また、臼杵はかつて商いの町としても栄えた地。商人たちが大切に育んで来た文化の一つにふぐ料理があります。味にも定評のある臼杵のトラフグは、市場でもトップクラスの高値がつきます。明治から昭和初期にかけての政治家で、食通としても名高い木下謙次郎は、著書「美味求真」の中で、「ふぐの中でも豊後(大分)ものはまた別格」と絶賛しています。ふぐの他にも豊富な魚介類や郷土料理「黄飯」など、臼杵は食文化も多彩です。
今と昔が交差する臼杵には、地元の方々が大切に守ってきた伝統と味が今なお残っており、訪れる人の心を魅了してやみません。
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雨の「二王座歴史の道」
城下町の面影を残す風情ある町並み
大蔵の壁面にあしらわれたポルトガルの伝統的装飾絵タイル・アズレージョ
「祈りと修行の旅」座禅会の様子
「祈りと修行の旅」御写経会の様子
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