由布市、竹田市、九重町
〜ミヤマキリシマと山開き〜
|
Vol.27 |
由布岳は、阿蘇くじゅう国立公園に指定されており、別府湾からも鶴見岳の後方に美しい姿を望むことができます。また、古来から信仰の対象として崇められており、『古事記』や『豊後国風土記』にもその名が記されています。
由布岳の山頂からは、日本百名山の九重山、祖母山、阿蘇山などが見え、天候がよければ大分県・福岡県境の英彦山まで見渡すことができます。頂上付近になるにつれて草木はまばらになりますが、山頂にはミヤマキリシマが咲きほこり、6月ごろには、群生する色鮮やかなピンクの花が山肌を染めていきます。
山麓の草原にはヒゴダイ、マツムシソウも多く見られます。
例年5月には、由布岳山開き祭りが行われ、登山道入口で登山者の安全祈願祭が行われます。
同じく、阿蘇くじゅう国立公園に指定され、九州の屋根と言われる「くじゅう連山」では、5月末から6月中旬にかけてミヤマキリシマがピンクのじゅうたんを敷き詰めたように辺り一面を覆います。なかでも大船山(たいせんさん)や平治岳(ひいじだけ)の群落は美しく、遠くからでも燃えるような景観を見ることができ、登山道から開けた斜面に広がるミヤマキリシマに出会った時、言葉では表現できないほどの感動を覚えます。また、くじゅう連山は高山植物の宝庫で、早春のマンサク、新緑の頃にはシャクナゲやイワカガミ、初夏のツクシドウダンやクサボケ、秋のヤマラッキョウ、ホタルブクロなど四季を通じて可憐な花々が楽しめます。
くじゅう山開きは、毎年6月の第1日曜日、大船山と久住山(くじゅうさん)の1年交替で行われています。
|