巻蒸(けんちん)、鮑腸(ほうちょう)、黄飯(おうはん)・加役(かやく)、りゅうきゅう、よしのみ、おしぼちょ、あつめし、うれしの、こねり、やせうま−−−−−。
大分県の料理を少しあげてみました。いくつご存じですか。いくつ召し上がったことがありますか。大分県人でありながらも知らない、食べたことがないと答える人が多いと思います。関ヶ原の合戦以降、大分県は小藩に分けられ垣根ができました。小藩になったものの、山あり、高原あり、平野あり、リアス式海岸から遠浅の海まで自然に恵まれ、豊かな食材をもとに独特の食文化がはぐくまれたのです。百万石、五十万石の大藩の食は既にメジャーですが、大分の食は知る人ぞ知る。メジャーデビューさせずに、地元だけで楽しむ方がいいかなーと思ったりもしましたが、銀座の坐来をとおして全国発信するのも悪くないかも。大分県人以外の方々の反応にどきどき、わくわくしています。
少し足を延ばすだけで、美味しい水、野菜、果物、魚、貝、海草、肉、山菜、もちろん、米や麦が手に入る。私にとってごく当たり前のことでしたが、坐来で食事をして初めて気付きました。ごく当たり前は実はすごいことだったのです。
大分の食を外に向けて発信しているのが坐来だと思っていました。でも私にとっては少々違ってきたのです。内なる大分、内なる私自身への発信基地になっていました。
昔、近所のお年寄りから聞きました。「米が駄目なら麦がある。麦が駄目なら魚がある。魚が駄目なら貝があり、貝が駄目なら海草、それも駄目なら田畑まわりの畔豆を食べればよい。」食材が豊かだということです。やっぱり『豊の国(とよのくに)』でした。なんと幸せなことでしょう。当たり前を感謝する、見直すことを坐来で学ばせてもらいました。坐来のスタッフの皆さんありがとうございました。・・・・・大分在住「坐来」応援団より
(平成18年11月発行)
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黄飯と加役
やせうま
りゅうきゅう
※掲載写真は調理例です。「坐来のメニューではありません。」
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