豊後大野市大野町
よもぎなどの旬な野菜のペースト |
Vol.34 |
今回は、豊後大野市大野町で、野菜の新しい販売展開を行っている「企業組合村ネットワーク」から野菜ペーストをご紹介します。
村ネットワークでは、地域の農産物を活用し、レストランやホテルをはじめ、学校、病院などからの繊細なニーズに応じた野菜の加工・販売に取り組んでいます。県産野菜の風味をとじこめたペーストは、高齢者の介護食としての需要も高まっており、用途が広がっています。
ペーストの製造にたずさわる臨光晴香さんと商品開発コーディネーターの小坂未奈子さんを訪ねました。
訪問の際に生産していたのが、ハーブのペースト、「ガラス張りの厨房施設では、訪れた方が作業工程をガラス越しに見学出来ることもあり、従業員の皆さんがいつもやりがいを持って作業をしています。」とのことでした。
また、「春の山菜などの急な注文には、たまに従業員の方が裏山で採ってくることもありますよ。」との裏話も聞かせていただきましたが、旬な食材がどこにでもある山間部の豊かな自然を感じたところです。
「野菜工房では、徹底した衛生管理の下、人参、ほうれん草、アスパラガス、かぼちゃなど地元の農産物を、水洗いした後、ミクロ状に裁断することによりペースト状に。その後、一気に急速冷凍するため、味・色・香り・栄養を旬の状態のままで保存料を使用せずに長期保存可能なペーストに仕上げています。」と工房での製造工程を見せていたただきました。
「坐来大分」では、大野町で採れたよもぎのペーストを、4月15日からのメニュー”蓬豆富”として、彩りをそえています。是非、ご賞味ください。
また、村ネットワークでは、ペーストを素材としたベジスイーツや、「坐来大分」で生まれた人気の「ほうじ茶プリン」の製造・販売も。甘さ控えめで、これが野菜入り?という美味しさに、「お子様や男性にも好評です。」とのことです。
<伝承料理研究家 金丸佐佑子さんのお話>
「二月の枇杷の葉、三月の蓬」先人から教わった言葉の一つです。なんと口調のよい、覚えやすい言葉でしょう。医者いらずと言われるくらい役に立つ枇杷の葉を二月に採り、焼酎に漬けて薬用に。三月の柔かい蓬は野に遊ぶ時の代表的な摘み草です。匂い、味、あく等は日本人のDNAをゆすぶります。
今春、早々に田の畦まわりにある蓬を摘んで、蓬団子と蓬餅を作り春を満喫。その折に「蓬」のいろいろを伝承しました。食としての薬効、お灸の材料として利用されていること、邪気払いの意味、様々な料理と調理法、入浴剤としての利用など。
若い人いわく「なーんだ。昔からある和風ハーブ!」その通りです。
私の住む地域で作られる「ゆでもち」は食べる順序があります。白い「ゆでもち」から食べ始め、最後が蓬入り。何故?蓬入りは硬くなりにくいため、作りたてでなくとも美味しいのです。これは生活の知恵として伝えられています。
「蓬」って本当に不思議な食材と思いませんか。
総合監修 金丸佐佑子(平成21年4月)
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ガラス張りの工房
企業組合
mura network
〒879-8411
大分県豊後大野市大野町田中43-12
TEL・FAX:0974-24-5556
水洗いし、カットしたハーブを細かく粉砕
粉砕したハーブをペースト状に
鮮やかな色合いのペーストとして完成
ペーストの真空パック詰め
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