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[食 Vol.89] 大分県全域 / クエ」

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大分県全域

クエ

Vol.89
 今回は臼杵にある「株式会社 安東水産」の三樹(みき)部長にお話しを伺いました。幻の高級魚と呼ばれるクエはスズキ目、ハタ科、マハタ属の海水魚で、地域によって「アラ」、「マス」、「モロコ」など、様々な名前で呼ばれています。市場に出回るものは大体2キロから5キロほどの大きさのものが多いようですが、大きいものは40キロを超える大きさにまで成長する大型種だそうです。

 「注文を受けてもクエを用意できるかは分からない」県内複数の市場を回り、魚を仕入れている三樹部長でも、クエを安定して仕入れるのは難しいと言います。「クエはめったに上がらない希少な魚だけど、味は絶品」で、皮やエラまで余すことなくおいしく食べることができます。三樹部長のおすすめはクエのほっぺた部分。よく動かす部分なので刺身にすると身が締まっていて美味しいのだそう。

 一年を通して高値で取引されるクエですが、県内では大相撲九州場所が行われる頃、最も相場が上がります。九州を訪れた力士のちゃんこ鍋の具材として需要が高まり、九州中のクエの価格が高騰するのだとか。

 そんなクエを大分県竹田市では、独特の調理法で食べる文化があります。江戸時代初期、海から離れた竹田市で、貴重な海の魚を美味しく食べるために生み出されたのが「頭(あたま)料理」という郷土料理。クエやマスなどの大型の白身魚を、身だけでなく、頭、エラ、アゴ肉、皮などあらゆる部分を各所に応じた切り方で調理し、湯引きします。それらに季節の野菜を添えて、かぼすで作った二杯酢、三杯酢でいただきます。部位によって食感が異なり、一度食べたら忘れられない味なのだとか。

 坐来大分では、大分県で捕れた天然のクエを用いたコース「天然あら尽くし」を提供しております。(九州ではクエのことを「あら」と呼ぶ地域があります)クエのうまみを存分に味わえるお鍋をメインに、前菜やお造りにもクエが用いられ、様々な調理法でクエを味わうことができますので、ぜひご堪能ください。

【坐来大分の「天然あら尽くし」コースは冬期の期間限定メニューです。予めご了承願います】

大分県で捕れた天然のクエ

お話を伺った安東水産の三樹部長(左)

安東水産は県内の市場から仕入れた新鮮な魚を地元スーパーで販売する傍ら、県内外の飲食店に卸しています。

坐来大分期間限定メニュー
      「天然あら尽くし」

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