今年の梅雨は全国的に雨が少ないとのことですが、そんな中でも豊後大野市朝地町の普光寺ではこの時期の風物詩アジサイがしっかりと咲いていました。
大分市から竹田方面へ車で約1時間、そして国道57号線から普光寺までの山道を進みます。すると早速、青や赤の色とりどりのアジサイが道端で出迎えてくれます。
駐車場に車を置いて、谷間の坂を下ると普光寺の山門があります。そこを入ると深い谷の真正面に明るく日があたる絶壁があらわれ、そこには11メートル以上もある不動明王の磨崖仏が彫られていて圧巻です。セイタカ童子とコンガラ童子を従えた大分県最大の磨崖仏は自然と調和し、素朴な味わいです。
鎌倉時代に作られたこの不動明王の絶壁の前に広がる深い谷には3000株を超えるアジサイが一面に色鮮やかに咲いています。25年ほど前から地域の人々が少しでも快適に見物してもらおうと、仏像周辺の清掃とアジサイの植樹を始めたそうです。
普光寺のアジサイは青が目立ちますが、よく見ると白、ピンク、紫、赤などいろいろな色のアジサイがあります。七変化といわれるように咲いているうちに色がだんだん変化していくからです。ちなみにアジサイの花言葉は「移り気」です。
一度に多くの観光バスが乗りつけるといった場所ではないので、静けさの中でアジサイをゆっくり鑑賞できるのも魅力です。それにしても不動明王とアジサイとの組み合わせが秀逸です。
(平成19年7月発行)
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道路ばたに咲いているアジサイ
色とりどりのアジサイ
不動明王がアジサイを見下ろしています。
よく見ると微妙な色の違いがわかります。
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