大分SHOKUトップページへ

[職 Vol.38] 国東市 / 七島藺(しちとうい)」

大分SHOKUトップページへ

大分|職|職人の技

国東市

七島藺(しちとうい)

Vol.38
「七島藺(しちとうい)」。皆さんお聞きになられたことはありますか。
 今回は、この七島藺を用いたアクセサリーやバッグなど新商品を生み出している七島藺工芸作家の岩切千佳さんをご紹介します。

 七島藺は畳表の原材料に用いられていますが、カヤツリグサ科の植物で、茎の断面が三角形で、イグサより強度があり燃えにくいのが特徴です。
 かつては庶民の生活の一部でしたが、栽培の難しさや生活様式の変化による畳離れ等により次第に衰退し、現在、七島藺の国内産地は国東半島のみとされています。
世界農業遺産地域に認定されている「国東半島宇佐地域」の特徴的な農産物である七島藺は、昨年12月、「くにさき七島藺表(おもて)」として、国の「地理的表示保護制度(GI)」対象品目に登録されたことで、注目が集まっています。

 宮崎県出身の岩切さんは、「くにさき七島藺振興会」が行っていた工芸士養成講座に参加したことがきっかけで、七島藺に出会いました。
 当時、七島藺はやはり畳表の原材料として使われ、その他の工芸品としても円座やラグのみでした。「昔ながらの工芸も残しつつ、もっと身近に使えるものが作れないか」と考えた岩切さんは、アクセサリーやキッチン用品、季節もののオブジェなどの制作を始めました。

 七島藺生産者の皆さんが丹精込めて栽培した七島藺だからこそ、その想いを大事にして作品を製作していると語る岩切さん。特に思い入れのある作品が「くにさき七島藺美山河」。美しい山と河に囲まれた自然の中で育つ七島藺から「美山河(ミサンガ)」と名付け、岩切さんの七島藺産業の復活の想いが込められています。

 現在岩切さんは、七島藺を使用した工芸品等の製作・販売や、大人から子どもまで参加できる製作体験のワークショップを行いながら七島藺の魅力を発信しています。これからも、生産者の想いを胸により多くの人々に七島藺に触れてもらう機会を作る活動をしていきたいと目を輝かせていました。

 今年(平成29年)11月11日(土)に、坐来大分にて岩切さんによる七島藺ワークショップを開催します。詳細は下記「坐来facebook」をご覧ください。皆様のご参加をお待ちしています。

七島藺を編む岩切さん

くにさき七島藺美山河(ミサンガ)

ワークショップの様子

上へ戻る
職バックナンバーへ